筋トレブームが巻き起こる昨今。
それとともに、これまでのトレーニング方法やストレッチなどについて大きく見直しせざるを得ないような研究が日々発表されています。
特にその中でも、よく話題に上がる「トレーニング前・後のストレッチ」について。
最近では「トレーニング前はストレッチはしない方が良い」と言う言説が広まっていますが、果たして本当なのでしょうか?
今回は「筋トレとストレッチ、どっちが先に行うべきか?」について書籍や動画などから得た知見をまとめてみたいと思います!
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- 筋トレ前にストレッチはすべき?
- ストレッチには3種類ある
- スタティックストレッチ(静的ストレッチ)は、なぜ筋トレ前に行わないほうが良いのか?
- 筋トレ前は「ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)」を行おう!
- 「靭帯を伸ばす」というのも効果あり
- 筋トレ後はストレッチはするべきなのか?
- ストレッチポール・筋膜リリースも効果的
- 寝る前にストレッチは行うべきか?
- まとめ
筋トレ前にストレッチはすべき?
結論から言うと、しない方が良いです。
もう少し正確に言うと「静的ストレッチ」はしない方が良い、ということです!
これがどういうことなのか。もう少し詳しく見ていきます。
参考動画
日本ボディビルダー界では知らない人はいない、山本義徳先生の動画を元にしています。
ストレッチには3種類ある
ストレッチは、大きく分けて、3種類存在します。
①スタティックストレッチ(静的ストレッチ)
スタティックストレッチ(静的ストレッチ)とは、いわゆる「筋肉を伸ばした状態で止める運動」のことです。
②ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)
ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)とは、ラジオ体操に代表されるような「動きのある状態で体を伸ばす運動」のことです。
③PNF
PNFとは、リハビリなどで用いられる運動で、「筋肉の効きをよくする運動」のことです。
スタティックストレッチ(静的ストレッチ)は、なぜ筋トレ前に行わないほうが良いのか?
静的ストレッチは、なぜ運動・トレーニング前に行ってはいけないのでしょうか。
それには、2つの理由があります。
①「関節の可動域の大きい方が怪我をしやすかった」という研究
②筋力を落としてしまう
なぜ筋力が落ちるのか?→「アルファガンマ連関」
「アルファガンマ連関」とは、簡単に説明すると、
筋肉を伸ばすと「伸びた状態が普通」と思ってしまうため、縮んだ状態(トレーニング時など)になった時、上手く活動しなくなる、という原理です。
そのため、トレーニング時にうまく力が入らない可能性があります。
参考文献
Testosterone・久保孝史著「超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由」(文響社)でも、以下のような記述があります。
ストレッチには障害を予防する効果はあまりなく、筋トレこそが障害を予防するツールだということがわかってきました。Hart(2005)ら及びThackerら(2004)の総説によると、運動前、運動後のストレッチは劇的にケガの発症率を低下させるわけではないということが明らかになりました。
加えて、筋トレすること自体が柔軟性を向上させるとも指摘しています。
Mortonら(2011)の研究によると、ある一定期間以上(5週間以上)筋トレを続けた場合、筋トレにはストレッチと同等かそれ以上の柔軟性獲得(膝関節、股関節、肩関節)の効果があることがわかっています。これは、筋トレによって筋肉そのものの構造が変化したのではなく「ストレッチトレランス(stretch tolerance)」と呼ばれる痛みの閾値が変化したことが要因であると考えられています。
筋トレ前は「ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)」を行おう!
トレーニング前の運動としては「ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)」を行いましょう!
肩を軽く回してみたり、自分がこれから動かす筋肉を軽く温める運動を意識してみましょう。
もちろんラジオ体操も有効です。
ダイナミックストレッチの例は以下の動画などを参考にしてみてください。
「靭帯を伸ばす」というのも効果あり
スポーツやダンスなど、普段から身体を動かす人に限らず、トレーニングをする際には、「靭帯」についても意識する必要があります。
靭帯は消耗品ですので、普段から意識的に伸ばす必要があります。
筋トレにおいても、正しいフォームなどが身についていないと靭帯に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、動的ストレッチと合わせて靭帯を伸ばすことは有効です。
私もトレーニング前には軽く手首や足首の靭帯を伸ばすようにしています。
参考動画
シルクドソレイユやフィジーク選手としても活躍されていたメトロンブログさんの動画です。
筋トレ後はストレッチはするべきなのか?
「筋トレ前は、静的ストレッチをするべきではない」という主張を続けてきましたが、筋トレ後はどうなんでしょうか。
結論から言うと、筋トレ後はストレッチをした方が良いです。
その理由は、ストレッチの効果にあります。
ストレッチには、硬くなった筋肉を柔らかくする効果はもちろんのこと、それ以外にも
・疲労回復効果
・リラックス効果(交感神経から副交感神経切り替え)
があります。
筋トレ後のストレッチは、以下の動画などを参考にしてみてください。
ストレッチポール・筋膜リリースも効果的
筋トレ後のストレッチの際、ストレッチポールを使うことも効果的です。
ジムなどには無料で貸し出ししているところが多くあります。
また、最近では、筋肉の柔軟性を高めるために「筋膜リリース」なども注目されています。
ローラーなども販売されていますが、器具を買わなくても簡単にできるのでぜひお試しください!めっちゃ気持ち良いです!
寝る前にストレッチは行うべきか?
寝る前は、実はストレッチはあまり行わない方が良いです。
なぜなら、例えストレッチであっても、身体が興奮してしまい、副交感神経から交感神経に切り替わってしまい、不眠を招く恐れがあるためです。
なので、もしやるなら「朝に行う」か「寝る1〜2時間前までに行う」ようにしましょう。
ただ、個人的にはB-lifeさんの「おやすみヨガ」が、動きも激しくなく、副交感神経への切り替えにめちゃくちゃオススメです!
【筋トレ・ダイエット】筋トレYouTuber・Instagram おすすめ10選|筋トレとYouTube・Instagramは最高の相性
股関節周りを中心にほぐすことで安眠効果も得られますので、いつも寝る前に行なっています。
※「おやすみヨガ」はいくつかシリーズになっているので、動画の種類もたくさんあります。
また、個人的に肩凝りに悩んでいるのですが、「ストレッチトレーナー なぁさん」の動画もオススメです!
なぁさんは、ツイッターでほぼ毎日短めのストレッチ動画を上げていらっしゃるので、大変参考になります!
まとめ
筋トレにおけるストレッチは、トレーニングの強度によっても変わってきます。
たとえば、器具を使ってトレーニングを行う場合、ウォームアップのために、トレーニング前に軽めの重量で行い、代謝を上げることも効果的です。
また、筋肉体操など自重トレーニングなどを中心として行う場合は、筋トレ前のストレッチや軽めのウォームアップはそこまで必要ありません。
ただし、寒い日などに行う場合は、事前に暖かい服装で身体の体温を上げておくなどすると良いです。
それでは、また!